永井みみ著『ミシンと金魚』を読んだ(老いと後悔に向き合う/世界に再会するということ)

ここ2、3年ほど、小説を読めなくなっていた。 子どもが産まれて育児に忙殺され、かつて好きなものや大事にしていたものをどんどん放り捨てていて、さらにコロナ禍で閉じこもっているうちに、自分がどんどん閉ざされていくのを感じていた。 小説は、自分のこ…

「ど根性ガエルの娘」15話を読んだ(家族の再生って「幸せな物語」なのか?)

「ど根性ガエルの娘」15話を読んだ。 「ど根性ガエルの娘の最新話がどえらいことになっている」とのざわめきが、昨日からツイッターで各方面より届いた。 なんやなんやどないしたんやと読んでみて、納得した。 どえらいことになってますよ。まず読んでみてい…

「この世界の片隅に」を観た(生活をする、というむごくてつよいこと)

「この世界の片隅に」を観た。 丸の内トーエー、今日最後の夜の回。時代の入った劇場だ。入り口で受付のお姉さんから券を買い、地下に降りる。まさしく「ホール」という感じで、ちんまりしたロビーに比べシアターホールがとにかくでかい。ふかふかだが色あせ…